βグルカンという成分は同じでも、由来原料によって価格と製品としての含有量が違います。最も安く、最も含有量が多いβグルカン健康食品は今のところパン酵母由来のβグルカンです。

βグルカンは、実際に多様な原料から抽出できます。古式ゆかしいキノコでは、懐かしいアガリクスをはじめ、メシマコブ、マイタケ(舞茸)から、最近のハナビラタケまで、βグルカンが多いとされているキノコ健康食品が列挙されます。

酵母原料を利用したβグルカン健康食品では、今や世界中で普及が進みつつあるパン酵母に逆行するように、日本開発技術によって黒酵母を原料とした製品もマルチ商法の商材として活躍しているようです。

βグルカン健康食品やサプリメントを食する目的は、中に含まれているβグルカンを摂取することです。もっと詳細にはβグルカンにも詳細分類があり、βグルカンの中のβ1,3Dグルカンという成分を摂取することが最大の目的に違いありません。

さて、ここでβ1,3Dグルカンという成分は、何を原料としても成分自体の性質は変わりません。悪質な一部の黒酵母販売業者が水溶性βグルカンなどというデマを広めようとしていますが、β1,3Dグルカンは黒酵母に生成させても、パン酵母から抽出しても、ハナビラタケから抽出しても、同じβ1,3Dグルカンです。

製品としての違いは、このβ1,3Dグルカンの量とその周囲の不純物の量に集約されます。キノコ原料で製造されるβグルカン健康食品には、βグルカンは多少含まれていても、肝心要のβ1,3Dグルカンは極微少量しか含まれていません。数パーセントと目されるβ1,3Dグルカン以外の大部分はタンパク質や脂質の不純物なのです。この大量の不純物、βグルカンの吸収を妨げるため、さらに製品としての機能性を低下させてしまいます。

また、黒酵母に生成させたβグルカンの多くはβ1,3Dグルカンであるとされています。しかし、製品化された黒酵母βグルカンには、β1,3Dグルカンが1, 2%しか含まれていません。残りの98%前後は水分です。非常に希薄なβグルカン純度であることは、製品としてのβグルカンの摂取効率が酷く低くなることを意味します。

現在のところパン酵母からβグルカンを抽出する最先端技術により85%以上もの高純度の製品が流通するようになっています。しかも、パン酵母から抽出されたβグルカンは、最重要成分であるβ1,3Dグルカンの割合が非常に高いことも有利な状況です。

原料を問わず、できるだけ大量のβグルカン、β1,3Dグルカンを、不純物少なくとることが、機能性の大小を決定します。効率良くβグルカンを摂取できることが重要なのです。

βグルカン、β1,3Dグルカンを最も効率良く製品化できる由来原料は、今のところパン酵母(イースト菌)です。キノコ、黒酵母の数倍から数十倍のβグルカン純度の製品が、キノコや黒酵母よりも同等か安く製造できるために、世界中で普及が進んでいるのです。

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